プリズムの瞳[rakuten:book:12143115:image]

菅浩江【著】/東京創元社/2007年10月発行

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
かつてはロボット研究が生み出した最先端機種として、期待を集めていた人型ロボット「ピイ・シリーズ」。しかし、現在では「残存種」と呼ばれ、絵を描くだけの無用の存在として各地を放浪していた。恋人との仲に悩む女性、周囲にとけ込めない中年男性、人生を見失った青年—ピイと出会った人々は、姿だけを同じくするロボットの瞳に何を見いだすのか。感情を持たないピイ、そして永遠の時を過ごす少女。かれらとの対話を通して揺らぐ人々のこころを柔らかに描き出す、すぐそこの未来の、希望と祈りに満ちたSF連作短編集。

表紙はびっくりするくらいピンクでレースですが、小説のイメージは「青」です。話によって、透明にちかい青や落ち着いた青になりますね。ピイは、「無用な存在」「残存種」ということで、人から珍しがられるか煙たがられて遠巻きにされるような存在として描かれています。でも感情を持たない彼らが、一番素直で純粋なのかも。ピイは、人を癒したり、戸惑わせたり、いらつかせたりしますが、それはピイが真っ直ぐな瞳を持っているからかもしれません。