ETV特集「21世紀を夢見た日々〜日本SFの50年〜」

昨日の夜、ぼーっとチャンネルをまわしていたところ、星新一という名前が聞こえて、そのまま見た番組です。星さんは好きな作家さんですが、あまりテレビで取り上げていることは少ない気がするので、意外でした。
主な内容ですが・・・

世界中の若者を魅了するアニメやマンガ、ゲームなどのジャパニーズ・サブカルチャー。その源流をたどって行くと、戦後独自の発展を遂げた日本のSF文学に突き当たる。この夏、横浜で開かれた大規模なSFの国際大会でも、日本のSFにあらためて注目が集った。
日本にSFのファンクラブが生まれて50年。伝説的なSF作家たちのグループ、「SF作家クラブ」が結成されて45年。星新一小松左京筒井康隆手塚治虫など、SF作家クラブのメンバーは、文学の枠にとどまらず多方面で縦横の活躍を果たし、黄金の60年代と呼ばれるようになる。鉄腕アトムウルトラシリーズなどがそこから生まれていった。彼らが育んだSFの「遺伝子」は、70年代半ばから音楽、映画、小説、アニメへと、さまざまなジャンルに広がり、世紀末を挟んで「オタク文化」の豊穣な世界を作り上げて行った。
高度成長期の日本に生まれ、半世紀を経て世界に認められるようになった、日本SF。その50年にわたる歴史をたどりながら、育まれた遺伝子がどのように発展し現代日本文化を生み出したのかを浮き彫りにする。
ETV特集の放送内容より>

ということで。SF作家さんのはしりとなった人達がどんなことを考えていたのか、文章という表現以外にアニメや万博などにも関わっていったのかがまとめられていて、面白かったです。
特に座談会の様子を見れたのが良かったですね。まだ、SFがそれほどメジャーでなく、アポロも月に行ってない頃に録音された「21世紀を語る」というテーマの座談会では、「21世紀は、宇宙から海溝まで降りていくスポーツが流行るかも」「いや、地球から火星まで宇宙服きて辿りつくスポーツってのはどうだ?」「宇宙で、ぽーんと押されて、そのまま進んでくんだ」「宇宙服着てれば、乗り物はなんでもいいってのはどうだ?」「ああ、丸太とか」・・・すごく自由に会話を楽しんでいる雰囲気がすごく伝わってきて。星さんの若い頃を垣間見えたのも少し感動でした。(存命のころは、作品を読んではいましたけど、作家さんにはまだ興味がないころでしたしねえ)
「SFには、バラ色の未来を描くこともできるけど、アンハッピーな未来を描くこともできる。未来の予想よりも予防、そんな目的で書くSFもいいんじゃないか。」1960年から1970年前後、とにかく発展することがいいことだと信じられていた時代に、そんな風に考えて作品を生み出していった作家さん達がいたんですね。なんだか、いろんな作品を読んでみたくなりました。