きんもくせい(金木犀)

夕暮れ

 おとといのこと。普段あまり通らない道に入ってみると、路地いっぱいに金木犀の香りが漂っていた。カーブを曲がった瞬間に、ふわっと甘い香りが広がるその場所がとても気に入って、お祭りの帰りに早速、弟を連れて行った。暗い路地には、昼間よりも濃く、香りが広がっていて、そのせいか、なんとなく実家にある大きな金木犀の木のことや、小学校の銀木犀のことを思い出した。そういえば、この時期、中学校の授業中にはいつもこの香りがしてたっけ。

 今日の帰り、また、あの香りに包まれたくて、路地に自転車を走らせた。ほんの2日しか経っていないのに、随分と香りが薄れてしまってた。今年は、まだ、あの小さなオレンジの花を見つけてないんだけどなあ。